31.12. プリプロセッサ指示子

31.12.1. ファイルのインクルード

埋め込みSQLプログラムに外部ファイルをインクルードするには、以下を使用します。

EXEC SQL INCLUDE filename;

埋め込みSQLプリプロセッサは、filename.hという名前のファイルを探し、その前処理を行い、最終的にC出力の中に含めます。 このようにして、ヘッダファイル内の埋め込みSQL文が正しく扱われます。

これは以下と異なることに注意してください。

#include <filename.h>

このファイルにはSQLコマンド用前処理が行われません。 当然ながら、他のヘッダファイルをインクルードするCの#includeディレクティブを使用することができます。

注意: 通常のSQLの大文字小文字の区別規則に従うEXEC SQL INCLUDEコマンドの一部であったとしても、インクルードファイルの名前は大文字小文字が区別されます。

31.12.2. #define および#undef指示子

Cで既知の#define指示子と同様、埋め込みSQLでも似たような概念を持ちます。

EXEC SQL DEFINE name;
EXEC SQL DEFINE name value;

このため、以下のように名前を定義することができます。

EXEC SQL DEFINE HAVE_FEATURE;

また、定数を定義することもできます。

EXEC SQL DEFINE MYNUMBER 12;
EXEC SQL DEFINE MYSTRING 'abc';

事前の定義を削除するにはundefを使用します。

EXEC SQL UNDEF MYNUMBER;

当然、Cの#define#undefを埋め込みSQLプログラムで使用することは可能です。 違いは宣言した値をどこで評価されるかです。 EXEC SQL DEFINEを使用する場合、ecpgプリプロセッサがその定義を評価し、その値を置換します。 例えば、

EXEC SQL DEFINE MYNUMBER 12;
...
EXEC SQL UPDATE Tbl SET col = MYNUMBER;

と記載した場合、ecpgによる置換がすでに行われていますので、CコンパイラではMYNUMBERという名前や識別子を参照することはありません。 埋め込みSQL問い合わせで使用する予定の定数に#defineを使用することはできませんので注意してください。 この場合、埋め込みSQLプリプロセッサがこの宣言を参照することができないためです。

31.12.3. ifdef、ifndef、else、elif、endif指示子

以下の指示子を使用して、コンパイルするコード部分を選択することができます。

EXEC SQL ifdef name;

nameを検査し、そのnameEXEC SQL define nameで作成されていた場合に後続行を処理します。

EXEC SQL ifndef name;

nameを検査し、そのnameEXEC SQL define nameで作成されていない場合に後続行を処理します。

EXEC SQL else;

EXEC SQL ifdef nameまたはEXEC SQL ifndef nameで導入されたセクションの代替セクションを開始します。

EXEC SQL elif name;

nameを検査し、そのnameEXEC SQL define nameで作成されている場合に代替セクションを開始します。

EXEC SQL endif;

代替セクションを終了します。

以下に例を示します。

   exec sql ifndef TZVAR;
   exec sql SET TIMEZONE TO 'GMT';
   exec sql elif TZNAME;
   exec sql SET TIMEZONE TO TZNAME;
   exec sql else;
   exec sql SET TIMEZONE TO TZVAR;
   exec sql endif;