積算電力計の動作原理を調べる    (28Dec2007)     >>TOP

電力に比例してアルミ板が回転している。
これはどういう原理で回転しているかという興味で調べてみた。
もうかなり昔に習った電磁気学を思い出さなければならない。中学校でも習うと思うけどレンツの法則とフレミングの左手の法則で大体のことは説明できるのでは?

磁石をコイルに近づけたり遠ざけたりすると,それを打ち消すような電位がコイル上に発生する。これをレンツの法則という。コイルに発生する電位は近づけたり遠ざけたりする速さに比例して変化する。このコイルの両端に電球等の負荷を繋ぐと電流が流れる。

フレミングの左手の法則は磁界(磁場)中に(磁界に対して直角方向に)電流を流すとそれぞれに対して直角をなす方向に力を受け,このとき力の方向は,電流を中指,磁界を人差し指に合わせたときに,親指の向く方向になる。磁界の方向はN極からS極に向く方向を表す。

言い換えると,電流の方向を磁界の方向に重ね合わせるように回転させたときに,ネジの進む向きと一致する
これをベクトルで表記すると以下の様になる。

FI x H
F:ある点における力,I:電流ベクトル,H:磁界ベクトル)

力の大きさは(I と Hのなす角がθの場合)

F ∝ IHsinθ





次に,金属の円盤の上で磁石を回転させるとどうなるかを考えてみると,上記の2つの法則から円盤中に電流が流れ,磁界と電流との間に力が働き,結果的に磁石の回転する方向に回転するようになる(Fig.2)。


Fig.2 円盤の真上から見た図で磁界 は上から下へ向いて時計と反対方向に回転させていると仮定。

Fig.2の磁界Hの右側近傍では磁界が強まる方向なので,それを妨げる様に起電力が発生する。金属盤なので任意の点に於いて閉ループとすると,仮想電流 i1 が図のような方向に流れると考えられる(このようにして流れる電流は(うず)電流と言われる)。一方の磁界Hの左側では前述とは反対の作用が働き仮想電流 i2 が流れると考えられる。
ここで,磁界H辺りでは i1,i2は強めあう方向に働き I = i1 + i2 と考えられる。逆に磁界から遠い所は打ち消しあう方向であることが判る。
以上のことから,電流(I)と磁界(H)から円盤にフレミングの左手の法則を当てはめるとFig.2の様な方向( I から H へネジを回転させるとネジの進む方向)に力を受けることが考えられる。

実際の計器では電流用コイルと磁界用コイルとで回転磁界を発生させている。この電流用コイルに流れる電流が電気代に関係している。電流が大きくなれば円盤の回転が速くる。電気代はこの円盤の回転数に比例することになる。なんか車のオドメーターみたいなものですね。


以上に挙げた2つの法則は現在の電気機器に多く利用されており,必要不可欠となっています。